KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

左肩上がりの布陣が面白い浦和レッズ。横浜FCに攻め込まれるもクリーンシートに抑える。 #urawareds

実は4バックなのに、攻撃の時は左SBの明本が解き放たれた狂犬のように外へ内へと自由に動き回る今の浦和レッズ。非常に面白いです。



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タイトルの「左肩上がり」というのは、左の明本がずいぶんと攻撃参加するのに酒井はそこまで攻撃参加しない、そんな左肩上がりな攻撃布陣という意味です。やはり徳島でもこの布陣を使っていたので、リカルド監督の得意の戦法と言えるでしょう。酒井は明本ほど高い位置は取りませんが、チャンスと思ったらぐいっと上げる印象です。


ボランチが最終ラインに吸収されない

ショルツや酒井が加入する前は、柴戸なり伊藤敦樹なりが最終ラインの一角を担っており、攻撃の時はどちらかが最終ラインに組み込まれて3バックを作っていました。ところが、酒井とショルツが加入した後は、基本的には岩波、ショルツ、酒井の3枚で最終ラインを固定してボランチは最終ラインまで下がっていません。これが7月までと今の浦和レッズが違う点です。


この新システムの利点は、ボランチが下がらないので小泉が下がって手伝う回数が少ないこと。そうすることで、前の人数を増やすことができますし、前線でボールロストした時も人数が多いのですぐにプレスをかけてボール回収をすることができます。江坂任が比較的下まで降りてくることが多いですが、この選手の良いところは、下に降りてきてもボール回しがスムーズだと判断できたらすぐに上に上がるところでしょう。江坂がずっとボランチポジションでうろうろしているところはあまり見かけません。


柴戸が最近重用されるのは、明本が前に出たところをきちんとケアする選手だからです。明本は後ろを気にせず解き放たれた狂犬のように前へ前へと進むことができますし、柴戸はきちんとバランスを取って危険なスペースを埋めてくれています。非常に役割分担がはっきりしています。


なんというんでしょうか、この布陣ってやはり背が高い酒井宏樹がいてこそ、上下するタイミングを知り尽くしているこの選手がいることで成り立つようなシステムだと思います。少しずつリカルド監督のやりたいサッカーが体現していきますね。