KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

今の浦和レッズに見る、ケガの情報戦略。 #urawareds

最近の浦和レッズを見ていて、「あ、ちょっと変わったな」と思うことがあります。それは怪我をした選手の情報公開についてです。例えば、3〜4年前だとファブリシオなんかが怪我した時は、膝の状態について詳細な状態を示して復帰するのにどれくらいかかるかというのをオフィシャルでも公表していました。


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ただ、2年ほど前からでしょうか。浦和レッズはあまり選手の怪我について詳細な情報を公開しなくなりました。阿部ちゃんなんか、昨シーズンほとんど出場しなくて、シーズン終わり頃にぼんやりと「長期の怪我で出場できなかった」というような情報が流れてきた程度でした。


「いや、興梠はちゃんと怪我の状況を発表したよね?」という声もあるでしょう。


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これは時期が特別でシーズン最終節の怪我だったんです。その後は試合もなく、3ヶ月くらいで完治なので次シーズンにもそこまで影響ないだろうという判断もあったのかもしれません。最近で、こんなに明確に怪我の状態が発表されたのはこれくらいしか思い浮かびません。トーマス・デンなんかもいつ復帰するのか全然わかりませんでした。(予測が難しい怪我のようでもあるのですが)


サポーターへの配慮を優先するか、情報コントロールを優先するか

怪我の発表には2つの側面があります。まず怪我の状態を発表するのはサポーターに対する誠意です。チームに影響のある選手が長期で試合に出場しないとサポーターは心配になります。クラブは説明する責任を感じて公式HPなどで詳細を発表することがあります。ただ、これにはデメリットがある。対戦相手に「あの選手は、そういう怪我だから我々との試合には出てこなさそうだね」と判断材料に使われます。


最近の浦和レッズは、どちらかというと情報コントロールを優先している気がします。サポーターへの説明を感じながらもいかに対戦相手に勝利するか、そのためには出場する選手もできるだけ予測させない運営をする必要がある、という意気込みを感じます。


選手の怪我の状況がわからないのはもどかしくもありますが、サポーターはこの部分も理解する必要がありそうです。