KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

マチェイ監督のコメントから読み解く、目指すサッカーとは。 #urawareds

3月6日の監督定例会見がクラブ公式にアップされていて読むことができます。今回、マチェイ監督が試合のどこに重きを置いているのかをコメントから確認できました。

(J1リーグ3試合のいろいろなデータを見ると、昨季より走行距離が伸びている傾向があるが、意識的にそうしているのか?)
「これは我々がやろうとしていることです。ハイプレスをかけようとすれば、特に守から攻への切り替えのところでしっかりと動かなければいけないと思います。そしてフィジカル的なことが重要になってきますが、走行距離よりも高強度ランニングやスプリントの方が大事だと思っています。そういったデータが試合をプレーするごとに良くなってきていることもいい兆候だと思います」
「レッズの選手であるならば、常に高いモチベーションでプレーしなければいけません」マチェイ スコルジャ監督(定例会見 3/6) | URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE

(先ほども話題に出たスプリント回数は1試合平均175回でリーグトップになっている。マチェイ監督はなぜスプリント回数が大事だと考えているのか?スプリント数は特定のスタイルやテンポがないと出ない面があるが、目指すサッカーと関連があるのか?)
「とてもいい質問です。おっしゃる通りです。データは読み方が2通りあると思います。どの場面でスプリントが出ているのかが大事だと思います。たとえば守から攻撃へ移ったときにスプリントが出ていれば、高強度なプレーができているということになります。ただし守備のところでそのような数値が高まっているのだとすれば、自分たちのやり方がよくないという結論になります。そういった要素を改善しながら、これからさらに良くしていきたいと思っています」
「レッズの選手であるならば、常に高いモチベーションでプレーしなければいけません」マチェイ スコルジャ監督(定例会見 3/6) | URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE


チーム全体の走行距離が昨季よりも伸びていること、スプリント数がリーグで一番多いことにフォーカスを当てています。


どの場面でスプリントが出来ているか、自陣に引いている時にスプリントが多いようだと、相手にボールを回されてひたすら追いかけているイメージがあります。単に疲れるだけのスプリントですね。


一方、マチェイ監督が評価しているのは、守から攻に移った時のスプリント。つまりボールを持った瞬間にグッとパワーを上げて前進するといったイメージです。コメントにはないですが、おそらく攻から守に入った時もスプリントできた方が良いのでしょう。トランジションの時にいかに素早く対応するか、というのを監督は追求したいんでしょうね。


ボールを奪取した後の対応については、「守から攻への切り替えの瞬間、どういうことをしなければいけないかというパターンを我々は持っていますし、そのようなトレーニングも行っています。」と監督は言っています。

そして長期的に私はこのチームが90分間ハイプレスをかけ続けることを望んでいます。1、2ヵ月でできることではありませんが、チームにはその能力があると見ていますし、今見せているトレーニングでもハードワークすることを続ければ、その目標を達成できると思います」
「レッズの選手であるならば、常に高いモチベーションでプレーしなければいけません」マチェイ スコルジャ監督(定例会見 3/6) | URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE

(データには表れにくいことに切り替えの速さがあるが、判断のスピードで相手を上回るという点ではどういう現在地にいて、タイトルを獲るために基準をどのように上げていくべきだと考えているか?)
「守から攻への切り替えの瞬間、どういうことをしなければいけないかというパターンを我々は持っていますし、そのようなトレーニングも行っています。どれだけたくさんのパターンを持っていても、選手たちが判断しなければいけません。その判断の部分のトレーニングが最も難しいところだと思います。その思考、プロセスのところで早く判断することが重要になってきます」
「レッズの選手であるならば、常に高いモチベーションでプレーしなければいけません」マチェイ スコルジャ監督(定例会見 3/6) | URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE


できれば90分ハイプレスをかけたいが、1、2ヶ月でできることではないと。ここを丁寧に読み取っていくと、できるだけハイプレスをかけてボールを保持し、守から攻への切り替え時に素早い判断で何をどうするかをチームとして共有し、攻め込んでいく。そのトレーニングを行っている、と言うことです。そこ(切り替え時)の判断が最も難しい。


つまり、90分間ハイプレスがかけられるスタミナ、強度を身につけ、ボールを回収した後は素早い判断で攻め上がり、相手を仕留める、そこの判断、スピードを熟成させている段階だ、ということです。


開幕2試合は、選手個々の局面局面でボールロストしてしまうことがありましたが、3試合目で改善されました。トランジションの時の攻撃を磨いていくと、得点パターンは増えそうです。


私は気になるのは、遅攻の時はまたプランがあるのかなというところです。今回の会見ではそこは読み取れませんでした。でもまあ、ボールを保持するスタイルを目指すのであれば、遅攻のやり方は当然知っておかなければいけないことなので、これも徐々にわかっていくことでしょう。


マチェイ監督のコメントは、ミシャの時のような突飛さはないですけど、人がいいのか、割としっかりとディテールの部分を話してくれる印象です。読んでて面白いですね。