COVID-19に対するワクチンの特許を放棄するか否かで、けっこう話題になっています。僕はかなり興味津々にこのニュースを追っかけています。例えばバイデンさんは、特許の放棄に前向きです。
バイデン米政権は5日、従来の慎重姿勢から転じ、特許権の一時放棄を支持すると表明した。ただ、ワクチンの製造では品質管理や製造技術もノウハウの固まりとされ、量産への課題は多い。
引用元:新型コロナ: ワクチン特許放棄、供給増へWTOで交渉: 日本経済新聞
実は、Camblyというオンライン英会話をやっていて、前にイギリス人の先生から「ワクチンの特許ってなんで開放しないの?みんな困ってるでしょ?」と言われて、私は「特許を開放しても世界中で作ることが出来るかというとなかなか難しい面もあるんです」と答えておきました。この時は今年の1月だったので、特許放棄のニュースもなく、「そんなこと、業界として出てこないよなぁ」と漠然と思っていたのです。
ところが、です。バイデン政権がこれ(特許放棄)について触れ始めました。理由としては、インドで感染が広がっていて南アフリカなどその他の地域でもワクチンの特許放棄を求めているからです。これに対して反対意見はたくさんあります。以下、そのいくつか。
米バイオ製薬モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は6日、バイデン米政権が新型コロナウイルスワクチンの特許の一時放棄を支持したことについて「特許を放棄しても供給量は増えない」と反論した。
引用元:モデルナも反論「供給増えない」: 日本経済新聞
日本製薬工業協会は7日、バイデン米政権が新型コロナウイルスワクチンの特許権の一時放棄を支持したことに反対するとの声明を発表した。
引用元:製薬協、ワクチン特許放棄に反対: 日本経済新聞
で、ワクチンメーカーとか製薬協が反対するのはわかるんですよ。やはり既得権益グループですし、開発側の人間だからです。ただ、メルケルさんが反対したのはとても興味深かったです。
欧州連合(EU)は7日から始まる首脳会議で、新型コロナウイルスのワクチン供給拡大に向けて、特許権を一時的に放棄する考え方を支持するかどうかを討議する。バイデン米政権が前向きな姿勢を示したためだが、ドイツのメルケル政権は反対する構えだ。特許権を持つ製薬会社が本拠地を置く国・地域での議論が本格化する。
引用元:独、ワクチン特許放棄に反対の構え EU首脳が議論へ :日本経済新聞
メルケルさんはもともと物理学者なので、研究者が開発したものに対する成果物への尊敬があるのでしょう。私はメルケルさんのこういうところ、素晴らしいと思います。ただ、私も判断が難しいと感じるのはこの状況が「世界的危機」であり、たくさんの命がなくなってしまっているのです。特許はとても大事ですが、世界的危機もなんとかしなければいけない。
めちゃくちゃバランスが難しいと感じて、このニュースに興味津々です。