KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

【読書】宮本式・ワンランク上のサッカー観戦術

新大阪から新幹線で東京に帰る2時間半。何をしようかなと思っていたのですが、元日本代表の宮本恒靖(敬称略)が新しく本を出したという情報を得たので、それを駅の本屋さんで買って読むことにしました。タイトルは「宮本式・ワンランク上のサッカー観戦術」です。


ほぼ2時間半で読み終わりました。面白かったというか、日韓W杯とドイツW杯に出場し、キャプテンとしてチームを引っ張ってきた宮本(元)選手のサッカー観が多く書かれています。文章は読みやすく、見るべきポイントは図になっていてわかりやすかったです。宮本恒靖の知性を感じる本です。

宮本恒靖は高校生の時にMFからDFになったそうなんですが、それ以来ずっとDFとしてサッカーをやってきました。この本では主にDF目線でサッカーについて書かれてあります。

例えば、DFにとって一番怖いFWはどんな特性を持つ人か、という問いに対して作者は、「常にDFラインの裏を狙っていて、それしか考えていないような選手。イタリアのフィリッポ・インザーギはまさにそんなFWだ、と。ラインの裏を取るのに、10本中9本失敗しても、残りの1本を100%の確率で得点されたらDFにとってショックはとても大きい、と。

また、90分の試合で、一人の選手がボールに触っている時間は約2分というデータがあるそうなのですが、作者はボールを持っていない残りの88分で何をやっているかでその選手の評価が決まってくると書いています。

他にもセットプレーの時はどこを見れば良いかとか、選手同士が近寄って何を話しているか気にしなさいとか、現・日本代表のSB・内田と長友の違いとか、サッカーファンなら面白く読めると思います。

僕がサッカーを本格的に見始めたのが2010年の秋くらいからなので、宮本恒靖をしっかりと生で見たことはないのですが、この本を読んで宮本選手の動きを見たかったなぁと思いました。引退したから書けた、ということもあるのかもしれないですけどね。