ちょっと前の話ですが、私の好きな村上春樹さんが2回目のラジオを放送してくれました。1回目より力が抜けていて、よりラジオに馴染んだ村上さんがそこにいました。
2回目は誰か曲順書いてくれてるかなと、ブログ検索してみたのですが、発見できませんでした(笑)。やはり1回目よりはインパクト落ちますな。
どういう曲を流したか、と言うのはTOKYO FMのページに詳しく書いています。
僕が印象に残ったのは、アレサ・フランクリンの件(くだり)でしょうか。1回目の放送の時には生きていた彼女ですが、10月21日の放送時には亡くなっていました。
1回目にも話に出てきたアレサ・フランクリン。村上春樹さんは、彼女のエピソードを語ってくれました。
アレサのお父さんはC・L・フランクリン(Clarence LaVaughn Franklin)といって説教のうまいことで全国的に有名な牧師でした。
とにかく聴衆がうっとりしちゃう見事な説教をしました。レコードを出していて、レコードが全国でベストセラーになるくらいすごい人で、公民権運動の指導者キング牧師(Martin Luther King, Jr.)とも友人でフランクリン家には彼がしょっちゅう泊まりに来ていたみたいです。アレサの父親はそれくらい有名でした。
説教の前に会場を盛り上げるために、ゴスペルを歌うのが小さいころからのアレサの役目で、アレサの歌のスタイルがそこから自然にできあがっていった。とにかく人の心を打たなきゃいけない、場を盛り上げなきゃいけない。それがアレサの歌の原動力になってます。でも同時にそれは、彼女にとっての心の重荷となり、彼女を苦しませることにもなったんですね。だからアレサ・フランクリンって歌はすごくうまいんだけど、リラックスして歌えないんです。それが彼女の悲劇かもしれません。村上RADIO - TOKYO FM 80.0MHz - 村上春樹
アレサ・フランクリンってそんな人だったのかと、初めて知りました。亡くなった時は、日本のニュースでも多く取り上げられました。オバマ大統領の就任の時にも歌った人だと。
お父さんが牧師さんで、アレサが小さい頃から教会で歌っていたエピソードを聞くと、なんだか胸が熱くなりますよねぇ。
村上さんのラジオは3回目もやるようです。だんだんこなれてきていて、私は1回目より2回目の方が面白かったです。3回目も楽しみにしております。