かなりのサプライズでした。なんだかんだ残留するだろうと高をくくっていたので、日本時間の午後になって、為替や株式の変動を見ると「歴史的な変革が起こっているな。」と感じました。これからいろいろなエコノミストがイギリス離脱についての影響を説明してくれるでしょう。
麻生さんのコメントを聞いていると、様子を見て、財政出動しなければいけないときはすると言うことでした。おそらく政府もどのような影響が出るのか探っているところでしょう。
日経電子版にFTのコラムが邦訳されて載っていました。FTのチーフ・エコノミクス・コメンテーターであるマーティン・ウルフさんが書いています。
1つ明らかなのは、英国はEUからの移民流入数を管理できるようになる半面、EUという単一市場へのアクセスを失うことだ。どんなに事態が良い方向に展開しても、サービスを含まない自由貿易協定にこぎ着けられれば御の字だ。
[FT]長く不確定な時代に入った英国 :日本経済新聞
今回、イギリス国民が離脱したい大きな理由の一つである移民問題に関しては、離脱すると管理しやすくなるでしょう。ただ、EUへの経済的アクセスは著しく下がります。WBSで高橋進さんが言っていましたが、EUに加盟してもっとも経済的恩恵を受けたのはイギリスだそうです。ロンドンにお金が集まり、一大金融シティとなりました。
短期的にはそうした決断を企業が下すことは難しい。どんな結果を生むか分からないからだ。この不確定な状態こそが離脱が招く明らかな結果だ。霧は時間がたてば晴れるが、経済力が衰えることは避けられない。離脱は分断を修復しようとする欧州に背を向ける行為だった。私にとって最も悲しい瞬間だ。
[FT]長く不確定な時代に入った英国 :日本経済新聞
離脱派は、EUの厳しい統制から免れて嬉しいことでしょう。しかし、経済的、欧州政治的な孤立は避けられません。僕がTwitterでフォローしているガンバ好きのイギリス人も珍しくサッカー以外のつぶやきをしていました。
英国は世界にとってポジティブな存在であって欲しい。EU加盟国として益々オープンな世界で相互理解や国際交流の活発化に貢献して欲しかった。又悲しいのは、若い人は圧倒的に過半数が残留派だったにも関わらず、その若い人にとってEUの他国で自由に住んだり働いたりする権利が奪われてしまうこと。
— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) 2016年6月24日
メイブリーさんの言う通り、残留を希望した多くの若者は、どうやってイギリスで頑張っていくのでしょうか。考えれば考えるほど残念な結果になってしまったなぁとつくづく思う日でした。
写真は、2年ほど前にイギリスに行ったときのものです。この時、ガイドブックには「世界に誇る金融シティ・ロンドン」と紹介されていました。さて、どうなるのか。