大塚も豊富なキャッシュを持っているだけではただの現金、ということで、それを次の事業に使うのか、配当や自社株買いで株主に還元するのかというところが気になっていました。大塚には自己資産が1兆5000億円あります。今回は、そのおよそ4分の1をアバニアの買収に使いました。かなり大きな買収です。
買収のニュースが流れると、3900円あたりをうろうろしていた大塚の株価は、3600円台になりました。市場では「マイナス」として受け止められています。ヴェリタスでは、株価が下がった理由として、
- アバニアの株価が割高なこと
- 開発中の薬剤が収益化するまで時間がかかること

(アバニア・ファーマシューティカルズ チャート AVNR - Bloombergより引用)
年の前半に比べると明らかに割高です。しかし、アバニアの株価が上がったのは「新薬の開発が順調」というニュースが流れたためです。ここが買収の難しいところですね。創薬ベンチャーのビジネスモデルは、赤字を出しながら研究をつづけ、今回のように買収してもらう、というものが多いです。製薬メーカーは特許切れの対策として、世界中にアンテナを張って新薬を探し続けています。アバニアは、大塚が買収しなければ他のメーカーが取っていたかもしれないですね。