映画を見ようと思っていたんだけど、都合がつかず、原作を読むことにした。面白くて3日ほどで読んでしまった。
この映画、志村けんの遺作になりそうだったんですよね。しかし途中で亡くなられたので代わって沢田研二が登板、と。原作を読む限りでは、志村けんがはまり役に思える。文字だけ読んでいくと、主役の1人、「ゴウ」が志村けんにしか思えなくなってくる。ギャンブル好きで、借金一杯抱えていてもけろっとしている男、それが「ゴウ」。無類の映画好きである。
そんな「ゴウ」にも妻と一人娘がいる。娘も映画好きで、シネコンを誘致するような会社に勤めていたが、女性が出世するのを気に食わない人たちの嫌がらせで辞めてしまう。無職になった40歳近い娘と80歳近い父親。それを絶妙な距離で支える妻。
そんな人たちが映画とインターネットを通じて心を通わせていくストーリーでした。心温まるお話です。著者の原田マハさんは、他にもたくさん本を書いているようですけど、こういうハートウォーミングな作風のようです。なんでしょう、仕事に疲れて癒やされたい時に読むとちょうど良いかも。