KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

なぜ「書く」と言うことは、その人物をよりよくさせるのか?

私の好きな認知科学者、Steven PinkerさんがTwitterでこの記事を共有していました。The Chronicleの「Why Writing Better Will Make You a Better Person」という記事です。日本語に翻訳すると、「なぜ書くという行為は、あなたをよりよくするのか?」という意味です。

 
この記事、ブログを書く身としてはすごく面白かったです。いくつか引用します。

We’re professors who try to write well. We also try to help our students and colleagues write well. But, really, why bother? Among the standard answers: Because businesses want good writers. Because good writing is good thinking. Because good writing is beautiful. Each of those explanations has merit. There is, however, another argument that’s often neglected: Writing is an ethical activity, and becoming a better writer can make you a better person.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


よく教授が学生や同僚に、よりよく文章を書くように促します。その理由としては、通常、上手に文章を書くことが仕事で必要になり、上手に書くことはより良い思考を促し、そしてその文章自体が美しい、と言うことです。

しかしながら、この記事では、無視されがちな他の理由:書くことが倫理的な行為につながり、書く行為がその人物をよりよくする作用があることについて論じたい。

Some writing makes people happy, pleased, or inspired. (Some may even "spark joy.") Other writing makes people sad, frustrated, annoyed, depressed, alienated, or worse.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


書くことは、人々を幸せにし、喜ばせ、刺激を生む(時にはときめせてくれる)。一方で、文章によっては悲しい気持ちにもさせ、フラストレーションを感じ、落ち込ませることもある。(と言う危険をはらんでいる、ということでしょう)

Respect everyone, including your readers, as inherently valuable and rational beings. If you think readers are important, and that their time and reason are valuable, that should make a difference in how you write.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


読者を含む、すべての人を本質的に価値のある、合理的な存在として尊重するようになります。読者を重要だと考えるのであれば、彼らの時間を大事に考えることが、あなたの書き方に違いを生み出します。(せっかく自分のブログを読んでくれるのですから、読んでくれる人に対して敬意を込めた文章にしなければいけません)

Follow the Golden Rule. How do you like to be treated as a reader? Do you like it when a writer uses big words when small ones would do, thereby leaving you out of the discussion?

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


読者としてどのように扱われるのが好きでしょうか?オーバーな言葉や、過小的な表現が好ましいでしょうか。→つまり、妙な形容句を付けるよりも、きちんと情報ソースを示して、議論しやすいような文章にすべきだと書いてあります。

In our view, then, good writing is virtuous writing: It shows respect for readers and tries to benefit them.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


良い文章とは、好意的な文章のことです。それは、読者に敬意を表していますし、何かしらのベネフィットももたらしています。以下に記事に書いてあった、文章を書く上でのTipsを引用しておきます。

In a lot of academic writing, the goal is to persuade the reader to believe something.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


アカデミックな文章を意識しよう。つまり、大小の形容詞よりも引用元のデータをきちんと示して、読者が納得できるような文章を書こう、と言うことです。

Write in short sentences, paragraphs, sections, and articles.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


できるだけ短い文章、段落、セクション、記事にします。長くてだらだら書くよりも、短くて伝わる文章にしましょう。

Use ordinary words unless you’ve got to use fancy ones.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


気を引くような言葉は使わず、普通の単語を使うようにしましょう。妙な表現で事実をゆがめないようにした方が良いと言うことです。

By and large, don’t ask rhetorical questions.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


修辞的な質問を読者にしないようにしよう。(これは、おそらく、何かのアクションを期待して読者に向かって妙な質問をする文体にしても、思ったようなリアクションを読者はしてくれない、と言う意味だと思います)

Revise, revise, revise.

引用元:Why Writing Better Will Make You a Better Person - The Chronicle of Higher Education


修正、修正、修正。1度文章を作成しても、より良い文章にするために絶えずアップデートしなさいと言うことです。

以上、かなりざっくりと引用しました。もしよろしければ全文読んでみて下さい。僕はこの記事を読んで、以前よりもブログに対して少し敬意を払って記事を書くようにしました。

僕がブログを書く理由は、「ねーねー、これ知ってる?見て欲しい!」という割りと子どものような動機が根源となっています。自分でもなぜこんなにブログを書くのかよくわかりませんが、文章を書くことはすごく楽しいです。

僕がブログを書く時は確かに読む人のことを考えて(でもあまり考えすぎず)、どうやれば伝わるか、を意識して書いています。今回のPinker先生が教えてくれた記事は、その書く行為がとても良いことなんだと教えてくれているようで、大きな勇気をもらいました。

引き続き、ブログを書き続けて行こうと思います。