KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

コロネルと制酸剤

コロネルという薬があります。下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群に適応します。このコロネル、胃内のpHによって効果が大きく変わる薬で、制酸剤やPPIと一緒に服用すると効果が大きく減少します。

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とある患者さんで、「コロネルマグラックスを一緒に服用したいんだけど、大丈夫か?」と聞かれました。マグラックスは制酸剤です。一緒に飲むと、コロネルの効果が半減します。

メーカーに問い合わせたところ、とある大学病院の論文で、「制酸剤との服用を1時間空ければ、それほど効果に変わりがない。」というものがあったそうです。メーカーとしてデータはとっていないけども、そういう論文はあります、とのことでした。

聞いて驚いたのが、pHが「2」違うと効果がかなり違ってくることです。うろ覚えなので、参考程度ですが、pHが「4.1」でコロネルの効果が95%、胃内のpHが「6.1」になると、なんと通常の25%しか効果が出ないそうです。

メーカーの医薬情報センターは、本当にたくさんのデータを蓄積していて、電話するごとに勉強になります。大変ありがたい存在です。