書評が続きますが、橘玲さんの「知的幸福の技術」という本を読み終わりました。kindleで日替わりセールになっていたので買ったのですが、むっちゃ面白すぎて、自分としてはかなり早く読んでしまいました。
ブログやセミナーで、この人の名前はよく聞いていましたが、本を読むのは初めてでした。素性はほとんど明かしていませんが、金融・経済に非常に詳しい人で、1980年代に学生だったという話からすると年齢としては50歳前後かなと思われます。
なぜ素性を明かしていないかというのは、一度素性を明かすともう情報として取り返しのつかないことであり、「素性を明かさない」というのは希少価値のあることだと考えているからだとこの本に書いてありました。
この本の中身は、年金や不動産、社会のゆがみに関することに書かれてあり、勉強になることがいろいろと書いてあります。作者の文体もなかなか読ませるものがあり、ただの金融解説本ではないと感じられます。
内容も文体も少し重たいので、気分が落ち込んでいるときに読むと少しズシッとくるかもしれません。勉強になるなと思ったのは、
- 年金がやばいと言っているが、やばいのは厚生年金であって、国民年金は非常にわかりやすくてお得なので、是非入った方がいいこと
- 医療費について、約半分が上位10%の患者さんに使われていること、終末期の医療費は1か月100万円以上と群を抜いて高額であること
- そして、1か月の医療費が1000万円を超えたケースのうち、半数以上が数か月以内に死亡していること
そのようなことが印象に残りました。教育についてもいろいろ書かれてあり、橘さんの本を他にもたくさん読んでみたくなりました。びっくりするくらい文章の面白さと内容の濃さがうまくミックスされています。