KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

町田ゼルビアのチーム名変更について

昨日、Twitterでかなり話題になっていたのが、町田ゼルビアのチーム名変更(ブランディング)のことでした。サイバーエージェントの藤田さんが、町田ゼルビアを世界に進出するチームに育てるために、チーム名からゼルビアを除き、代わりにトウキョウを入れたいというミーティングをしていました。

非常に強い台風19号が差し迫る10月11日のことです。ありがたいことにYouTubeで始終を見ることが出来ます。1時間20分の動画です。台風が迫ってきて時間があったので、私は全部見ました(笑)。

www.youtube.com
私のTwitterタイムラインでは、とにかく「反対」の嵐でした。変更するのはチーム名で、「FC町田ゼルビア」から「FC町田トウキョウ」としたい、と言うことでした。とかく反対意見というのは声も大きくて、肯定意見というのは一定数いるものの、あえて声高に叫ぶ人もいません。

なぜ再ブランディングするのか?

サポーターを増やして、ACLで優勝するようなチームに育てるためだそうです。町田だけに拘っていると、人口44万人しかいない。それを「トウキョウ」をチーム名に入れることによって、町田以外の人たちも取り入れていこうと言うことです。

また、世界に進出した時に「トウキョウ」と入れておいた方が認識されやすい、と言うことです。

サポーターを増やす→スポンサーがつく、グッズが売れる→経営が好転する、と言うことです。ゼルビアの場合はエンブレムにもチーム名が入っているのもあってか、エンブレムも変更します。


涙ながらに訴える若い男性サポーター

藤田社長のプレゼンがおわり、質疑応答に移りました。4,5人の質問がおわり、司会の人がそろそろおしまいにしようとしました。すると、藤田社長が「この話し合いで合意を得られれば、リリースを出そうと思っているんですけど、今の時点で(合意の)手応えがない。もう少し皆さんの意見を聞きたい」ということを言いました。

そこからさらに数名、質疑応答をしたのですが、その中に涙ながらに「ゼルビアという名前を無くさないで下さい」と訴える、若い男性のサポーターがいました。この嗚咽しながら、涙ながらに藤田社長に訴えるシーンで、私は思わずもらい泣きしたほど感情がこもっていました。


ふと自分のことを考えると


例えば、浦和レッズが明日から浦和FCになりますと言われたら、自分はどう感じるのでしょうか。たぶん、それでチームが強くなるのだったら、受け入れるかと思うのですが、問題はチャントや横断幕です

藤田社長は、大旗なら新しいチーム名のものをプレゼントしますよ、と言っていました。ただ、チャントはなかなか変えづらいんじゃないかなぁと思います。浦和レッズなら最後に歌う「We are Diamonds」の中にも「Yes Red Diamonds, You are the best」なんて出てきます。

ヾ(♯゚Д゚)ノウラーワレッズ!!

なんて、「うらーわ、エフシー!」とかに変わるのでしょうか。ちょっとにわかには信じられないですよね(苦笑)。

浦和FCに変わったら、そこら辺に違和感を感じて、しばらくやらなきゃいけないわけです。なかなか慣れるのが大変そうです。チャント変えると、スタジアムの雰囲気変わると思いますね。そういう変化があるわけです、チーム名を変えると言うことは。既存のサポーターにとっては、かなりインパクト大きいです。


下川会長の挨拶


Twitterの反対派は、あの涙ながらのサポーターはすごく取り上げるわけですが、最後に挨拶した下川代表の言葉は取り上げません。「前進するためには、変化を受け入れていくしかない。これは会社なんです、藤田オーナーもこんなにぴったりこちらにくっついてくれています。」(語尾違うかも)ということ言っていました。

今のゼルビアが好きなサポーターからすると現状を変えることは大きな負担になります。その気持ちを受け止めつつ、藤田さんはチーム名をよりシンプルにし、より広いサポーターに受け入れられるように考え、改革を行っています。

チーム名を変更することは、サイバーエージェントが町田に増資をする時に、すでに契約条項に組み込まれていたそうです。ただ、それをきちんとサポーターを挟んで説明しなかったことはミスだったと藤田さんも認めていて、謝罪しています。

個人的には、藤田さんの真摯な姿勢が感じられましたし、しょうがない衝突なのだと思いました。ただ、まあ、長崎みたいにチーム名も変えなくてがんがん改革できて盛り上がっているところもあるので、どうしても比較しちゃいますけどね(ここが上場企業と非上場企業の違いか・・)。