今回のブリーラム遠征でちょこちょこ本を読んでいました。この本も読了しました。架空のJ2サポーターについて穏やかに、優しい文体で書かれた小説です。
ディス・イズ・ザ・デイ
posted with amazlet at 19.05.09
津村記久子
朝日新聞出版 (2018-06-07)
売り上げランキング: 6,216
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2019年のサッカー本大賞に選ばれた作品です。作者の津村さん自身はそれほどサッカーに詳しくないようですが、2年半ほどスタジアムに通ったり、スタジアムのない場所にも行ったり、この本を書くために取材をされたようです。
朝日新聞で2017年1月から2018年3月まで連載していました。
Amazonなどの書評を読むと、「今までサッカーに興味なかったけど、この本を読むとスタジアムに行ってみたくなった」という声もあり、サッカーファンとしては嬉しいです。
実際、この本を読んでみて、いろんな人がいろんな背景を抱えてサッカースタジアムに行くんだなぁと、津村さんの深い観察眼に感心した次第です。
架空のJ2最終節が舞台
全部で11話のオムニバスになっています。なぜ11話から成り立っているのか。それは、J2のチーム数が22チームで、このオムニバス全て、全チームの最終節にスポットが当たっているんです。
レギュレーションは、実際のJリーグに倣っているので、1位と2位が自動昇格、3位から6位がプレーオフ進出という設定です。最下位は自動でJ3に降格します。
それぞれのチームにそれぞれのサポーターがおり、その順位によって最終節に対する姿勢も変わってきます。そして、各サポーターの家庭背景なども描かれています。
丁寧に、そして優しくJのサポーター、しかもトップリーグじゃなくて2部のリーグにフォーカスしたのは良いことだと思います。サッカーと言えば、W杯、日本代表と言う人もいますが、J2を舞台にこんな人生劇場があるんですよ、というのがとてもよくわかる小説です。
面白かったです😄津村さん、素敵な本をありがとう。