ナイキの創業者が書いた自伝、「シュードッグ」を引き続き読んでいます。今朝読んでいた時に、グッときた箇所がありましたので紹介しておきます。
この本の中盤、今までオニツカを売っていたフィル・ナイト(ナイキの創業者でこの本の主人公)が、オニツカとの関係が悪くなり、いよいよ自分たちの靴を作って売ろうと言う時に、展示会で初めてナイキの靴を披露しました。
この時はまだオニツカの靴を扱いながら、ナイキの靴も展示すると言う状況でした。ナイキの靴は、日本の工場に生産をお願いし、この展示会で初めて届いた製品を見ました。
オニツカとの品質の違いにフィルたちは顔を顰めました。これは売れない、こんなクオリティではダメだとその場にいたナイキの社員全員が思っていたそうです。
しかし、そんな中、展示会に来たセールスマンがどんどんナイキの購入を決めていくではないですか。これはどういうことだとフィルはセールスマンに聞き出します。すると、セールスマンは次のように言いました。
君たちブルーリボンとは何年もの付き合いだから、君たちが正直なのはわかってる。他の連中はデタラメだけど、君たちはいつもズバリ本当のことを言ってくれるから、この新製品、ナイキっていうんだっけ、これが当たると言えば信じる
すごいと思いました。ナイキの社員全員が「こんなクオリティじゃダメだ」と思っていても、セールスマンは今までの信頼を元にどんどん新しい靴を買って行ってくれたのです。
ちなみにブルーリボンというのは、オニツカを扱っている時のナイキの前身となる会社名です。
この部分を読んで、やはり仕事は正直じゃないとダメだなと思いました。たまに「お前は正直すぎるんだよ」と言われますが、まあそれで損しても、評価を下げても良いかなとも思います。
もちろん相手が不快に思うような正直さは不要だと思いますが、出来るだけ他人には誠実に接しようと、この本を読んで思うのでした。