KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

阿部勇樹とオシムさんの対談記事がとても面白い。

浦和レッズのキャプテン、阿部勇樹がオフを利用してオシム監督に会いに行くという対談記事がLINE NEWSに掲載されていました。前編と後編に分かれており、特に後編が面白かったです。

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オシムさんの、相変わらずシニカルな対応が良いですよね。阿部ちゃんがわざわざ日本から会いにやってきたのに、「そうか、それはよかった。まあ、お前が子どもみたいだけどな。子どもと一緒になって遊んでいるんだろう。」なんて子ども扱いするところなんて、オシムさんらしいです。

後編で特に良いのが、監督論。オシムさんが、阿部ちゃんに向かって「いつ監督になるんだ?」というところから展開していきます。全然知らなかったのですが、阿部ちゃんはすでに指導者ライセンスの講習を受け始めており、ユース世代の子どもたちを教えるところに取り組んでいるようです。

そして、特に良かった会話が以下です。

オシム「きちんと次の試合の相手のことを研究して、分析して、対策を準備する。それが監督の最低限の仕事だ。その積み重ねが、戦術のように見える。」

阿部「分かります。「自分たちのサッカーができれば勝てる」という選手のコメントに、いつも腹を立てていらっしゃいました(笑い)。相手へのリスペクトがあまりにも足りない発言だ、と。」

 

この会話を読んで、ハッとしました。確かに監督というのは、対戦相手をしっかり分析して、それに合わせて作戦を考えなければいけません。自分たちのフォーメーションを気にしていてもしょうがないわけです。その積み重ねが戦術のように見える、というのは新しい発見でした。もう一度繰り返しますと、戦術に見えるのだと。

あとはキャプテンとは、という会話も良かったですね。

誰かに何か指示を出すまでもなく、プレーし、戦うことによって、みんなが見習い、チームがまとまる。そういうタイプの主将もいる。阿部に期待していたのは、言葉じゃなく、ファイトすること。つまり、いつも全力でプレーをする。全力でやるのが、主将の最低限の条件だ。

 
まさに阿部ちゃんが今実践していることです。これはオシムさんの指導があったんだなぁとその影響力を感じました。

このLINE NEWSの記事、写真も多く使われていて、会話もすっきりして読みやすく、とても良い対談記事だと思いました。企画して下さったスタッフの皆さん、ありがとうございました。

しかし、阿部ちゃんが監督だなんて、あまりイメージしていなかったですけど、すごい名将になりそうですよね。これはこれで楽しみ。