KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

名古屋戦の後のペトロビッチ監督のコメントがよかった

名古屋戦の後のペトロビッチ監督のコメントが秀逸です。これは名古屋戦に限ったことではなく、僕はペトロビッチ監督の試合後のコメントが好きなので、公式戦のあとはよく浦和レッズの公式HPにアクセスしてペトロビッチ監督のコメントを読んでいます。

現在の名古屋グランパスは、勝てていません。点も取れていません。年間成績も16位で勝ち点が19点です。だいたい毎年、勝ち点38点取れば残留できるので、なんとか名古屋には勝ち点を積み重ねて残留してもらいたいです。そんな名古屋に今年から就任したGM兼監督の小倉隆史に試合直後、ペトロビッチ監督が何か話していました。

記者から質問された監督のコメントです。

「小倉監督は、非常にすばらしい人間性を持っている方だと思いますし、監督としても、能力のあるかただと、私は思っています。ただ、私の方が監督としての経験は長いので、私の長いキャリアの中から、彼にアドバイスをさせてもらいました。彼は監督としてはまだ若いですから、こういった難しい状況になると、なかなか光を見いだせないこともあるかと思います。

私が彼に、『下を向いてしまったらそこまでだ』ということと、『悪い中でも必ずポジティブな部分はある。そこを見つめて、選手たちと前向きに、ポジティブに努力をすることが、こういった状況を抜け出すために必要なことだ』と伝えました」
ミシャ監督 名古屋グランパス戦試合後会見|URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE


勝てない名古屋グランパスを考えると小倉監督は本当に胃の痛い、どうすればいいかわからない、そんな状況です。他のチームだと解任されているでしょう。僕も正直なところ、いつ小倉監督は解任されるんだろうと思っています。93年のJリーグ開幕当初から存在する名古屋グランパスはいわゆる「オリジナル10」です。それがJ2に落ちるかも知れないという局面です。

我々の人生に置き換えてみると、やはり汲々として他を見る余裕がない、先が見えないトンネルを感じたことが誰でもあるでしょう。名古屋の監督と言うことになると世間の耳目も集めますし、自分1人だけのことでもないわけです。なかなかハードな稼業です、監督は。

おそらくペトロビッチ監督は、そんな時代も経て、今の域まで来ているのだと思います。そういう先輩監督として小倉監督にコメントしたのでしょう。これって、いくら先輩監督だからと言っても日本人だとなかなかできないことではないかなと感じました。

会見では、記者から「なぜ名古屋グランパスのようなクラブが降格の危機に陥るようなことになるのでしょうか?」という質問にもペトロビッチ監督が答えています。なかなか興味深いコメントです。翌日の日経新聞にもサッカー番記者の武智さんが記事に書いていました。ぜひ読んでみて下さい。