KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

大塚HDの中期計画について考えてみる

昨日、大塚HDが2014〜2018年の中期計画を発表しました。株式市場では好印象だったようで、発表後の株価は1%ほど上昇しました。ここ最近、大塚の株価は上昇していまして、以前に大塚のことを書いた時よりも約17%上がっています。

大塚HD

PERも10倍前後だったのが、昨日の段階では14倍後半。日本の上場企業の平均PERが15倍くらいですから、ここら辺でしばらく落ち着くかも知れません。ただ、他の製薬メーカーを見てみると、業界トップの武田が43倍、第一三共が17倍、アステラス22倍、エーザイ36倍です。大塚もまだ上がる余地はあります。

今回の中期計画が好感を得ているのは、エビリファイの特許が切れた後、どういう風に売上を伸ばしていくか、株主還元していくか、ということがきちんと説明されたからだと思います。大塚HDのホームページに行くと、昨日の中期計画がスライドになってアップロードされています。

要旨を書きますと、2016年12月期までは、エビリファイ特許切れの影響で減収が続くが、その後は新薬投入、飲料・食品部門の海外拡販で2018年度には業績を回復させるというものです。年間配当を現状の70〜80円から100円にするというのも投資家の評価は大きいでしょう。日経新聞の記事が詳しいのですが、Googleで「大塚HD」とニュース検索をかければ、昨日の発表がたくさん出てきます。

果たして、新薬はそれほどヒットするのかと言うところが気になります。大塚が出している資料を見ると、中枢とがん領域で売上を伸ばすようです。中枢では、エビリファイメンテナとブレクスピプラゾールの2本立て、がん領域では、大鵬薬品オリジナルのロンサーフが成長ドライバーになると書かれています。また、循環器のサムスカも柱の一つに入ってますね。

医薬品治療薬の説明でよくわからないのが、買収したアステックスがどのように活用されているのか、ということです。フラグメント創薬と書いてあるのですが、スライドを見ただけではよくわかりません。長い目で見て欲しいと言うことでしょうか。

研究開発費は、2013年度までは右肩上がりで投資に力を入れていますが、2018年度まではしばらく1600億円で維持するようです。売上比率20%前後で安定させるのでしょうね。

NC事業は、アジアでポカリ、欧州でジェルブレ製品、アメリカでネイチャーメイドに力を入れるようです。が、スライドの枚数が少ない(笑)。利益の比率を上げるために構造改革を進めるようですね、この分野は。

スライドの最後の方に書いてありますが、自社株買いもしていくようで、どうやら今まであまり気にしてなかった(と思われる)市場評価も、今後は重視していくようです。

このブログを書いている8月27日、株式市場が始まりましたが、大塚の株価は5%近く上がっています。びっくりするくらいの上昇ですね。ただ、だんだん利益確定売りなどで株価は落ち着いてきます。中期計画を発表して株価が上がることはよくあることなので、これからその進捗が大事になってきます。見守りたいですね。