KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

【book】豊饒の海・奔馬

三島由紀夫シリーズ第2弾。「奔馬」を読了しました。人から勧められて読み始めた三島由紀夫ですが、面白いですね。

 

豊饒の海 第二巻 奔馬 (ほんば) (新潮文庫)
三島 由紀夫
新潮社
売り上げランキング: 10,632

 

この話のあらすじは、「あとがき」を読むと非常にわかりやすいです。ストーリー自体は、複雑ではないのですが、感想を書くにはなかなかの長編です。それをあとがきでは、非常にうまいことまとめてあって、この部分で結構感動しました。

 

簡単にいうと、昭和初期の20歳前後の青年を描いた物語で、その青年たちがいわゆる「右寄り」の思想に感化されてテロリストとして生き抜く様が描かれています。

 

豊饒の海の面白いところは、1作目の「春の雪」で主人公だった松枝清顕が転生して2作目の主人公になっていること(明確にそうだとは書かれない)。全然違うキャラクターの二人ですが、芯の部分では同じものを感じ、サブキャストとして登場する本多を驚かせます。

 

文章の構成が巧みであり、時代背景もしっかりしていて、三島由紀夫の才能が迸っている作品です。