KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

ドイツの底力を見ました。クロースによる起死回生のセットプレー。 #WorldCup

後半の37分にボアテングが2枚目のイエローで退場し、スウェーデンの堅守ぶりからすると、「この試合、同点で終わっちゃうんじゃないか。」という空気が漂っておりました。

 

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セバスチャン・ルディ

この試合、メキシコ戦でボランチの守備のもろさを見せつけられたレーヴ監督は、エジルに代えてバイエルンのルディを起用してきました。私、バイエルンの試合を何試合か見てますけど、ルディって初めて聞きました。

 

簡単に調べてみましたが、基本的にクラブではベンチに入っていて、リーグ戦で使われる存在でした。終盤のUCLでは使われていないので、バイエルンでは大事なターンオーバー要員という印象です。

 

そんなルディがW杯の、しかも1戦目を落とした次の試合で起用です。レーヴ監督からすると、メキシコにボランチの穴を攻略されたのは、「ついにやられた」という感想だったのでしょうか。それとも今まで気付かずにいたのでしょうか。

 

守備強化要員として抜擢されたルディですが、前半30分手前で鼻を骨折してしまい、代わりにギュンドアンが入りました。ドイツからするとせっかく補強した箇所にまた穴が出来てしまった感があったでしょう。

 

ルディが鼻血を出してからギュンドアンに交代するまで、結構時間がかかりました。おそらくレーヴ監督は、すぐにルディを交代させたくなかったのだと思います。

 

イルカイ・ギュンドアン

ギュンドアンは、比較的前目のポジションを取ります。クロースとのポジション相性はあまり良くありません。ルディが守り、クロースがボールを回す方が相性は良かったのです。

 

ギュンドアンが入ってすぐに、クロースからギュンドアンへのパスをスウェーデンにカットされてしまい、そこからカウンターを受けドイツは失点します。

 

まあ、ルディだったら大丈夫だったかと言われると、前半10分くらいのところでかなり危ないカウンターを受けてますし、どちらにしてもボランチの穴問題は簡単に解決できるものではなさそうです。フランスのカンテみたいな選手がドイツにもいればいいのに、という無い物ねだりでしょうか。

 

ベルナーの位置を変える

後半の頭からドイツは動きます。ドラクスラーに代えてマリオ・ゴメスを投入。そして真ん中にいたベルナーを左ウイングに変更しました。

 

僕はドラクスラーでも裏に抜けるスピードはあるんじゃないかと思っていましたが、ベルナーの方が圧倒的にスペースを狙う動きが上回っていました。ドイツはベルナーの前にあるスペースを有効に使い、左サイドから仕掛ける作戦に変更しました。

 

前半はほとんど右サイドのキミッヒから攻撃していて、スウェーデンはこれに対してきちんと対応できていました。ベルナーを左サイドに置くことによって、左の、より深い位置から崩していく意図が見えました。

 

この作戦はひとまず成功しており、後半早々のロイスによる得点は左のベルナーから出されたボールから生まれました。

 

ゴールから見放されたかに見えましたが、最後に驚きの結末

ドイツが同点にしてからも、勝ち越しするべく何度もスウェーデンゴールに迫りました。しかし、マリオ・ゴメスのヘッドはGKオルセンに阻まれ、ブラントのミドルは惜しくもポスト直撃。

 

試合の最中、スタンドのドイツサポーターが映されましたが、「なぜ入らないんだろう?」という表情で、やや諦めムードが漂っていました。

 

そんな試合も、あとワンプレーという後半AT94分。ベルナーが左サイドでファウルをもらい、クロースがボールをセットしました。正直なところ、普通にクロスを上げてもスウェーデンは跳ね返すだろうと思っていました。

 

それがロイスにチョコンとボールを預け、少しボールの位置を変えるとクロースは見事なカーブをかけてスウェーデンゴールを直接狙いました。まさかのゴールイン。

 

これは、テレビを見ていて叫んだ人も多いでしょう。ドイツの底力を感じたラストでした。今回のW杯は、強豪と言われるチームが苦戦しており、アイスランドやコスタリカのようにキラリと光るチームもあります。

 

すごく面白い大会になっていて、決勝トーナメントが楽しみですね。ロシア国内でも、大会が始まってからかなり盛り上がっているそうです。ロシアが驚異の躍進を見せているからですね。

 

さて、今晩はいよいよ日本です。応援しましょう!