今にも雨が降りそうな等々力陸上競技場に行って参りました。てか、屋根のない場所だったので、ポンチョを被って応援しておりましたが、結果的には雨はほとんど降りませんでした。試合内容は、そういう微妙なお天気とは裏腹に、気分爽快なものでした。
スタジアムで観戦して、帰宅してDAZNでも試合を確認しました。戦術的な大きな変化よりも選手の心理的な変化がこの試合の勝因だったような気がします。
中3日では、オリベイラ節を仕込むのは難しい
オリベイラ監督になって、3試合目で、「いよいよオリベイラの実力が出てき始めたか?!」と思ってしまいがちですが、解説の水沼貴史さんによると「この短い期間では、戦術の変更など監督の意向を反映するのは難しい」というコメントでした。
一番の違いは、選手の気持ちではないかと思われます。オリベイラ監督になっての2試合(柏戦、湘南戦)では、浦和のイエローカードは一枚もありませんでした。今回の川崎戦を前に、選手たちにその部分を指摘をし、球際を強く行くように指示をしたそうです。
イエローカードはもちろんない方が良いのですが、球際に強く行かずにイエローが出ないというのはプロフェッショナルではありません。試合全体を通して、ここの意識の徹底ができていました。
前2枚、中盤3枚の守備フォーメーション
川崎はボールを保持したがるチームです。中盤でボールを持たせると、川崎のやりたいサッカーをやらせてしまうことになります。今回は、興梠とナバウトを前線2枚に残し、最終ラインへ2人でプレッシャーをかける作戦でした。状況に応じて長澤も前に出てきてプレッシャーをかけます。
風間監督と鬼木監督で違うところは、大島と中村憲剛の距離感です。風間監督の時は、大島と中村憲剛の距離が近く、中盤をこの2人で崩しているパターンが多かったです。鬼木監督は、世代交代も考えてか、大島が担当するスペースをより大きくしています。中村憲剛は、割りと前にいることが多い。
ということは大島にプレッシャーをかけなければ行けません。中盤のキープレーヤーは大島です。この部分には、長澤と柏木がプレスをかけていました。長澤一人でマークかと思っていましたが、意外と柏木が詰めるシーンもありました。青木は、この二人よりも少し下がり目にポジションを取っています。
最終ラインへは興梠とナバウトが、大島は柏木と長澤で当たるというフォーメーションでした。これは結構うまくいっていたのではないかと思います。
浦和のCKがゼロ。
この試合、浦和のCKがゼロでした。川崎のCKは10。CKが少ないというのは、クロップがドルトムントを指揮していた時によくあった現象で、カウンターが多く、最後はシュートで終わることを意識しているので、CKが少なくなります。
浦和もカウンターが多かったですが、もう一つ、サイド攻撃よりも中央から崩していくシーンが多かったように思えます。サイド攻撃が多いと、自然にCKも多くなりますが、今節はDFラインが高い川崎の裏を狙って、中央から崩すという狙いがあったのではないでしょうか。
終盤になっても浦和の動きがよかった。
ここ数年、浦和は試合に勝っていても、終盤に失点することが多かったです。特にミシャ時代ですね。しかも、相手のすごい崩しがあったというわけではなくて、それは防げるだろうという「安い失点」がありました。見ている方からすると、試合終盤は何か選手も自信なげで、こちらも不安になるようなことがありました。
DAZNで見ていて思ったのですが、オリベイラ監督はめちゃくちゃ声がでかいです。本当に67歳かと思えるくらい声がでかいです。そして、試合終盤になるとその大きな声がさらに大きくなり、各選手に指示とも怒号とも思えるような叫びが響きます。
実況の倉敷さんが、「オリベイラ監督の声が大きいですね。放送席まで聞こえてきます」というくらいですから相当大きいです。そして、ここから、今までの浦和とは思えないくらいの選手のきびきびした、規律のある動きが見られたのです。
以前に解説の早野宏史さんが、チェルシーが非常に強い時に「青々してきました」と言っていましたが、それと同じように思えました。浦和の選手が「赤々している」ように見えたのです(個人の感想)。なんと言うんでしょうか、自信に満ちあふれていて、「点を取られないぞ」という意思が強く感じるのです。
僕は、この部分が「これがオリベイライズムなのか」と妙に一人で納得していました。それだけインパクトのある終盤のDFでした。
鹿島戦が楽しみ
さて、たった1試合ですけども非常に浦和の良い部分が見られました。3試合目よりは4試合目の方が監督のイズムもより浸透するだろうというのが、サポーターの気持ちです。オリベイラ監督としては、非常に思い入れのある鹿島スタジアムでどのような試合を見せてくれるのか、今から楽しみにしております。