KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

スタジアム観戦者調査2017(平均年齢もここから抜粋)

Jリーグから、「スタジアム観戦者調査2017 サマリーレポート」が発表されています。スポーツ新聞などが平均年齢が下がったと報道しているので、ご存じの方も多いかと思います。

https://www.jleague.jp/docs/aboutj/funsurvey-2017.pdf

https://www.jleague.jp/docs/aboutj/funsurvey-2017.pdf


このレポート、とても見やすく良くできていて、64ページという結構な分量となっています。PDFなので、Evernoteに入れて通勤途中やことあるごとにチラチラ読んでも良いくらいのクオリティです。

例えば、平均年齢以外にも観戦者のプロフィールとして「自由裁量所得」という項目もあり、月額平均34,900円となっています。自由に使えるお小遣いがそれくらいというわけでしょうね。

平均年齢の取り方



このレポートを見ると、どうやって観戦者の情報を得たかということが載っています。ニュースで話題になった平均年齢ですが、シーズンを通して統計を取ったわけではなくて、ある試合を抜き取ってアンケート調査する方法です。

例えば、浦和レッズは2017年9月23日の鳥栖戦が対象試合となっています。思うのですが、浦和レッズ対鳥栖というのは、わりと玄人好みする試合のような気がします。つまり、新規のサポーターよりも毎試合来ているような人が多いんじゃないでしょうか。

結果を見てみると、浦和の平均年齢は44.5歳から45.2歳と0.7歳増えています。うーむ、なぜ鳥栖戦を選んだのでしょうか。無作為に選んでいるのでしょうか。

ちなみに平均年齢が大きく下がったという川崎は、相手が鹿島アントラーズの時で、イベント告知も大々的にやっていた試合のようでした。

フロンターレの観戦者調査が行われたのは、鹿島アントラーズに3‐1で快勝した8月13日。この日は日本で最も歴史のある少女漫画雑誌「なかよし」(講談社刊)とのコラボレーションとして、「Are You LADY!(アーユーレディ)」Day?が開催されていた。

引用元:Jリーグ史上初、観戦者が若年化の要因。映像制作著作権の移行で可能になったSNS戦略 | フットボールチャンネル


ただ、鹿島戦に加えて、フロンターレはこういうサッカーとは関係ないジャンルとコラボレーションを行い、新規のお客さんを呼び込んでいるのは確かです。この中から、一握りでもサッカー観戦の面白さに目覚めることができれば、イベントとしては成功ということでしょうね。

浦和レッズがこういうことを行うと、硬派なサポーターからよろしくない反応が返ってきそうです。さて、どのように新規のお客さんを呼び込むか、ですね。

地元民の割合



レポートの中には、ホームタウンに住んでいる比率も示されていました。平均で、約86%の人がホームタウンに居住していて、地元のクラブを応援しているようです。

f:id:prings:20180131030950p:plain

地元率が90%を超えているのが、大宮、甲府、新潟、清水の4クラブですね。浦和は75.3%です。私は、浦和はもっと都内から来ているのかと思っていましたが、意外にも埼玉県民が多いんですね。とても低かったのが、鹿島アントラーズで約54%です。ちなみに、鹿島の統計を取った時の相手は甲府でした。千葉から行っているサポーターが多いのかもしれません。

観戦頻度



1年にどれくらいJリーグの試合を見るかという質問もありました。全体で見ると、2015年から2016年にかけては微減していました。

f:id:prings:20180131031823p:plain

J1でもJ2でも、約0.5回減っていますね。2009年からのデータを見ると、だいたい10〜12回のレンジで収まっているようです。しかし、各クラブ単位で見るとすごく面白いです。

f:id:prings:20180131032038p:plain

浦和の18.4回が突出しています(笑)。いや、これやはり鳥栖戦で統計取ったのが大きく響いているでしょう。例えば、Jリーグではないですが、ACL決勝のアルヒラル戦で統計取っていれば、確実に新規のお客さんが多いですし、行く回数も18.4回なんて数字は出てこないですよ(笑)。

まあ、そこを差し引いてもこの数字は高いと思われ、やはり浦和サポは熱心かなとは思います。なにげに2015年の調査でも浦和は18.1回なので、鳥栖は関係ないかもしれないです(どっちやねん)。

ちなみに、シーズンチケットを持っている人の平均観戦数も示されています。J1の平均が17.1回ですね。シーズンチケットって浦和の場合は20(もしくは21)試合分ですので、ほとんどの試合に行っていますね。私みたいに60%行ければ良いなんて人は珍しいですね、これは。

まとめ



各メディアが、平均年齢が下がったと報じている今回の観戦者レポート。確かにそこが一番クローズアップされて然るべき部分だと思います。もうずっと、平均年齢が上がっていると揶揄されていましたからね。

この他にも、浦和はシーズンチケット率がとても高いという数字もありました。平均のシーズンチケット購入率が46.5%に対し、浦和は76.0%です。4人に3人がシーチケホルダーなのか。

スタジアムに行くと、いつもどんな人が応援に来ているのだろうかと、興味のあるところでした。Jリーグがこのようにサポーター像を数字で出してくれるのは大変ありがたいです。

一つ気になるのが、統計の取り方で1試合取るのと、3試合取るのでは、結果にそれほど影響はないのでしょうか。1試合だけだと偏りも出やすいかなとは思うのですが、Jリーグでそこの検討はしているのでしょうか。まあ、コストもかかることですし、1試合でも全然構わないとは思うのですが、心に引っかかるところではありました。