KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

みずほの人員削減に見る、今の日本企業

メガバンクの一角、みずほFGが人員削減するというニュースが少し前から出ています。今朝の日経新聞でもこのことについて詳しく書かれていました。

 

行内には波紋が広がる。「転職先探しを始めることにしたよ」。みずほグループの30歳代社員は10月下旬、気心の知れる知人にこう打ち明けた。「支店長ポストが減るとバブル期入行組がこぼしている」、「役員の方が多すぎでしょ」。こんな不満が漏れている。

 

約10年後の2026年までに、7.9万人いる社員を6万人に、500ある拠点数を400にします。日銀のマイナス金利や国内の人口減少で銀行の業績は芳しくないです。

 

やっぱりなぁと思ったのが、拠点数を減らすことによって、支店長職というポストも減ります。このため、バブル期に入社してそれなりのポストについて、それなりのお給料をもらっていた人たちが、かなり影響を受けそうです(若手も出世しにくくなります)。

 

まあでも、7.9万人いる中で、100拠点減るだけ、しかも10年ほどかけてのことですから、それほどスピード感ある人員削減ではありません。

 

このニュースからは、今の日本企業の実態がよく出ているなと感じます。1980年代後半から90年代前半に入社した人たちは、そこそこの大学を出ていれば名のある企業に入れたわけです。それほど適性がなく、言ってしまえば仕事が出来なくても名のある会社に就職し、今よりは給料の上がり方も良かったわけです。

 

今の大企業は、そんな人がたくさんいて、仕事のできる若手がなかなか上に上がれない、ポストが空かない原因になっています。

 

 

 

最近、この本を読んでいて、影響を受けています。著者のちきりんさんは、大手証券会社から外資系企業に転職した経歴のある人です。

 

良い大学を出て、大きな会社(つぶれにくい会社、退職金が多い、福利厚生が手厚い)を選ぶというのは、今退職するくらいの人には良かったかもしれません。

 

しかしながら、日本全体のGDPもここ20年くらい横ばいで給料も横ばいです。そんな時代に、バブル入社組がたくさんいる大企業に入り、定年まで勤め上げるというのは、あまり面白くないなぁと思います。ちきりんさんもやはりそういう考えのようです。

 

私の親世代で、大企業に入ってない人からすると、入社から退職するまで面倒見てくれて、退職金も手厚い。それは魅力的に映ったかもしれません。なので、子供にもそのような会社を勧めてきますし、無事に名のある会社に入ると親は喜ぶわけです(一生安泰だと)。

 

しかし、30代まではそれで楽しいかもしれませんが、40代に入ると、「定年(今なら70歳か?)までこの仕事を続けるのか」と立ち止まって考える人も出てくるでしょう。今の時代はそういう風に立ち止まって考える人が増えているような気がします。

 

とりとめのない文章になりました。言いたかったのは、大きな会社にずっと定年まで勤め上げる選択肢とそれ以外の道も、今は考えても良い時代ではないかということです(決して定年まで同じ会社で勤め上げるのが悪いと言っているわけではない)

 

みずほのニュースを見て、ふとそんなことを考えてみました。