KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

上場したJR九州のことを調べてみた

10月25日に上場したJR九州。職場でも「買いかな?」なんて聞かれることがあります。個人的にはそれほど興味はなかったですが、そもそもJRってどのような収益構造になっているのか興味が出てきて調べてみました。ブログにしようと思った元ネタは日経新聞の「迫真」です。

九州旅客鉄道JR九州)が運営するドラッグストア「ドラッグイレブン」の福岡市内の店舗。専務の本郷譲(60)は週1度、店に顔を出す。「ずいぶん客が入るようになったな」。10月も朝から来店客でにぎわう様子を見て、思わずほほ笑んだ。
(迫真)JR九州 意地の上場(3)子会社にエースが来た  :日本経済新聞


上の記事の中で、JR九州は鉄道のいわゆる「運搬業」では半分も収益を稼いでいないと書いています。それよりもレストラン、ドラッグストアなどの流通で25%、駅ビルなどの不動産で15%稼いでいます。運輸業は47%ですね(28年度3月期の決算を参照)。ちなみに連結売上は3779億円です。上場したときの目論見書を拝借すると以下のようなグラフになっています。

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同じグループのJR他社の収益構造は以下のようになっています。JR東日本の会社要覧から拾ってきました。

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JR東日本の連結売上が2兆8千億、西日本が1兆7千億、東海が1兆4千億です。九州は3700億円。規模が違います。運輸業の比率も本州3社は6割以上ありますね。

時価総額で言うと、JR東日本が約3兆5千億、西日本が1兆2千億、九州が4800億円です。西日本は規模の割には時価総額が低いような気がします。もう5千億円くらい高くてもいいのではないでしょうか。あまり株価を意識していないのかも知れないです。

日経の記事では、JRの職員が流通子会社などに異動になるのはあまり気が進まないというようなことが書いてありましたが、九州はそうでもないようなことが書いてありました。重要な収益基盤になっていると言うことでしょう。

JR九州と言えば高級列車「ななつ星」が有名です。予約も一杯で好調のようです。しかし、グループ他社も真似をしてきています。高級列車の先陣を切った九州がどのような戦略で来るのか楽しみですね。

JR九州の過去5年間の連結売上は、3300億円から3700億円と右肩上がりです。ゆったりとですが、着実に伸びています。配当は1株につき37.5円が支払われる予想で、11月6日現在の株価(3035円)からすると1.2%程度です。PERは12.71倍。株主優待もあるようで、やはりよくJR九州を利用する人にはお得なものが多いです。

会社としてうまくいっているようなので、九州の人で鉄道を愛している人であれば買っても良いかなと思えるような銘柄ですね。