KH Chronicle

1975年生まれ。サッカーのことを多めに書いています。医療と経済にも興味があります。

【book】情報を活かす力

池上彰さんの新刊「情報を活かす力」を読了しました。テレビにもばんばん出ていて、本もばりばり書いていて、新聞連載もあり、大学の授業も持っているというハードスケジュールな池上さん。
 

情報を活かす力 (PHPビジネス新書)

情報を活かす力 (PHPビジネス新書)

 

 
どのように情報を集めて、どのように理解し、整理し、そして活用しているのか。それを知りたくてこの本を買いました。池上さんの本は僕の知る限り、ほとんど電子書籍になっていません。この本も電子書籍版はありません。本屋さんで買いました。

10年ほど前に同様の本を買いたそうで、この本はその書き直し版です。文章のリズムもよく、あっという間に読み終わってしまいました。池上さんは読書をこよなく愛する人で、本屋の活用方法、「積ん読」だけでも本は役に立つという意味など本に関するページ数がかなり割かれています。

行きつけの本屋を作ることはとてもいいことだとこの本には書いてありました。インターネットで書籍を検索するよりも、実際に本屋さんに行って背表紙を眺めているだけでもいろいろな発見があると書いてあります。

新聞のスクラップ方法にも詳しく言及されていました。僕の場合は、気になる記事はEvernoteにスキャンして入れています。池上さんによると、「スクラップする過程、いわゆる情報を編集しているときに発見があり、やる意味がある。」というのです。池上さんは情報の整理にコンピュータは使ってなさそうでした。

面白いエピソードも書いてあります。池上さんはNHKの取材員として社会人のスタートを切りました。初めに配属されたのが、島根県松江の警察署です。殺人を扱っている刑事課の担当です。刑事から如何に情報を聞き取るか、という部分にも触れられていました。

刑事を駅で待っているときに、文庫本を一冊鞄に忍ばせて、電車が来る合間に自動販売機の明かりで本を読んでいたそうです。職質にあったこともあるそうです(笑)。どれだけ本が好きなんだ。

文章の書き方についても書かれています。僕がよく使う「丸々であるが、しかじか」というつなぎの「が」は使わない方がいいと書いてありました。使うなら逆説の「が」だけにして順接の「が」は論理的につながらいので使わない方がいいそうです。

また読み返したい、ためになる本だと思いました。